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一級建築士事務所 スタジオロクのブログ

The Chapel at the Mount Tamaro

今回の旅メモは、スイスにあるタマロ山頂の礼拝堂。
設計は、マリオ・ボッタ氏です。

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ロープウェイが運行できないほど、この日は天気が悪く、霧が深かったです。
でも、せっかくこのためにここに来たので、何とか係員さんにお願いし、1時間だけ見学させて頂くことになりました。当然、客は私達のみでした(笑)

ロープウェイを登ると、そこには、この礼拝堂のみ。
まず、橋をわたり、まっすぐ歩いていくと、突き当たりに十字架見えました。
まっすぐに伸びる橋は力強く感じる反面、霧により先が見えない神秘性もあり。

先端の十字架付近は、1,2段ぐらい上がったところにあり、ほんと先端にある十字架って感じでした。


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それから、階段を下り、アーチ状の橋をくぐり抜け、礼拝堂内部へ。



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扉は、大きく、スチール製の枠にガラスが全面にはめられていて、大きな額縁の絵画みたい。

内部は、正面が祭壇で、上部のトップライトから柔らかな光が祭壇を照らし、ほんのりと周りを照らしていました。また、光にほのかに照らされた、さしのべられた手が、きれい。
祭壇の天井も、アール形状したトップライトより、間接的に光を取り入れ、側面からは壁の厚みを利用して、外部からの光は、一部の内壁に反射させて導き入れていました。

また、個々の窓のコンクリート枠に描かれた絵や文字も、少し静かなリズムを与えている感じで、いいなぁ。

床には、小さな石の水路のようなものが、また、アール状の天井も直線状に祭壇へと向かっていました。この軸線は、外の通路などと同じ方向なので、この建物の方向性が無意識に認識する感じかも。



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礼拝堂内部を出て、帰りは、半外部階段をあがり、ロープウェイ乗り場へと続く長い内部通路を通っていきました。

それは、細長い階段・廊下で、かなり光を制限していました。壁の厚みは700程度で、開口部もφ700程度。
700の厚みはすごく重厚感がある。しかも、素材が石で、ラフなテクスチャーなので、余計にそう思うのかもしれないなぁ。



訪れた日は霧がかかっていたので、すごく神聖な場所のように感じました。
礼拝堂の中で聞こえる雨の滴の音が、内部空間に静かに響き渡っていたのも、この日ならではの、いい雰囲気なのかもしれません。
by 6th_studio | 2009-07-12 15:17 | 旅メモ(abroad)